血清亜鉛値は亜鉛欠乏の診断に汎用されるが、その値が日内変動すること、炎症時には低値になることなど、しばしばバイオアベイラブルな亜鉛量を正確に反映できない点が問題となる。高齢者は、様々な慢性疾患を患うケースも多いため、超高齢社会を迎えた我が国において、信頼できる亜鉛欠乏診断法を確立する意義は大きい。本研究では、亜鉛欠乏応答性の発現を示す亜鉛トランスポーターを認識する抗体を作成し、亜鉛欠乏を診断に応用することを試みた。さらに、作成した抗体を活用して亜鉛欠乏によって活性を大きく変動させる亜鉛酵素を同定し、同定酵素が新しい亜鉛欠乏診断に応用できる可能性について検討した。
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