本研究はからだの司令塔としての”腸”の働きに注目し、中でも腸管上皮細胞の中枢としてのパネト細胞の細胞膜および分泌タンパク質を解析することによって、パネト細胞を中心とするネットワークがいかに構築されているのかを明らかにすることであった。本研究によって、パネト細胞の高純度かつ大量取得技術を確立し、さらにパネト細胞で発現する37遺伝子をはじめて同定した。それら遺伝子を大別すると、自然免疫および再生・分化機能以外にも、栄養吸収、神経系、代謝など多様な遺伝子発現が認められた。すなわち、パネト細胞が多彩な機能を担い、パネト細胞を中心としたネットワークが食との関係において腸で働いていることが示唆された。
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