サケの白子成分であるプロタミンは、食肉加工をする上で重要な性質である筋原線維の加熱ゲル形成能を阻害する効果を与えることが明らかになった。その作用機序は非常に特異的で、プロタミン中のあるペプチドに由来することが示唆された。 本研究の成果は、従来から食品添加物として使用されているプロタミンの用途開発につながるもので、プロタミンおよび同酵素分解物の性質は、これまでとは全く異なる食肉製品を物性改良剤になりうるものと考えられる。また、本研究の成果は筋原線維の加熱ゲル形成性の解明においても有益な知見を含んでおり、今後、ゲル化阻害作用を有するペプチド種の同定など、さらなる検討が必要と思われる。
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