本研究の目的は、土砂災害軽減のために、土石流から水成分を減らして粘性を高め、停止距離や衝撃力を減少させる方法を開発することでる。水土分離の方法を開発し、粘性の変化に伴う土石流速度、氾濫面積、衝撃力の変化を実験水路で計測し、その効果を明らかにする。また、現地調査も併せて行い、実施タイミングやメンテナンスについても提案する。成果として、通常の土石流から2.3倍給水すれば、流速は1/2、衝撃力は1/8になることを明らかにした。これにより、現地では土石流の到達距離を短くし、衝撃力を減じるには、スクリーンダムを用いることが有効であるが、土石流堆積後の除石などメンテナンスには問題が残ることを示した。
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