研究実績の概要 |
本年度は、大気中や土壌発生ガス中のδ15N-NOxを簡便に測定するための手法開発を行った。まず、 Watanabe et al.(2006, J. Environ. Monit.)の方法と、脱窒菌法(Sigman et al., 2001, Anal. Chem.)を組み合わせることで、NOxを捕集して亜硝酸イオンと硝酸イオンとして回収し、それらのδ15Nを測定できることを確認した。また、抽出液中のPTIOを除去しない場合、脱窒菌法によるδ15N測定ができないことも確認した。 試験的な実験として、茨城県つくば市で冬季に大気観測を行った結果、大気中NOxの日平均濃度が10~50 ppbvの範囲におけるδ15N-NOxは-1.1~-6.2‰の範囲であった(n=7)。同様に、マツ林土壌やスギ葉を培養瓶に詰めた時に発生するガスのδ15N-NOxを測定した結果、マツ林土壌が-18‰、スギ葉が-14~-20‰(n=3)であった。
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