研究課題
窒素酸化物の窒素安定同位体比(δ15N-NOx)は、発生源ごとに異なる値を持つため、大気中NOxの起源推定指標として注目されている。本研究では、森林大気中NOxの起源別寄与率を求めるため、森林大気中NOxが都市大気NOxと土壌放出NOxの混合物と仮定し、それぞれのδ15N-NOxを測定して混合比率を求める方法を開発した。茨城県筑波山地域で行った夏季観測の結果、δ15N-NOxの日平均値(n=6)は、都市大気NOx(-7.2‰)>森林大気NOx(-11.1‰)>土壌放出NOx(-22.4‰)の順となり、本法の妥当性が示された。また、森林大気NOxに占める起源別寄与率は、平均で都市大気NOxが75%、土壌放出NOxが25%と計算され、森林大気のNOx濃度が約4 ppbvであったことから、土壌起源は1 ppbv程と考えられた。以上から、筑波山のような窒素汚染された森林では、土壌が重要なNOx発生源となっている可能性が考えられた。
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SpringerPlus
巻: 5 ページ: 1596
10.1186/s40064-016-3286-y