研究課題/領域番号 |
26660136
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研究機関 | 国立研究開発法人 森林総合研究所 |
研究代表者 |
森下 智陽 国立研究開発法人 森林総合研究所, 四国支所, 主任研究員 (90391185)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 森林土壌 / ブナ / カラマツ / モノテルペン |
研究実績の概要 |
森林土壌中におけるモノテルペンについて、樹種による違いおよび季節変化を明らかにするために、昨年度に引き続き岩手県八幡平市安比高原の森林総研気象観測試験地において、観測をおこなった。気象観測タワーがあるブナ林および隣接するカラマツ林を対象試験地とした。特に、積雪期におけるモノテルペン濃度を把握することを目的として、融雪期である4月、そして積雪期である1月下旬に積雪中および土壌から大気を採取した。積雪および土壌中のモノテルペンについては、昨年度同様に、吸着剤を充てんしたステンレス製パイプの採取管に採取して、FIDガスクロマトグラフィ(森林総研つくばに設置)で、分析をおこなった。土壌空気サンプルからは、無積雪期にも見られたαピネン、カンフェン、βピネンが検出され、積雪中からもこれらモノテルペンが検出された。土壌中で高く、積雪中で低下していたことから、土壌が放出源になっていることが示唆された。また、無積雪期同様、ブナ林よりもカラマツ林土壌で高いモノテルペン濃度だった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
土壌中モノテルペン濃度は季節変化を示し、どの季節においても樹種による違いが見られることを明らかにすることを本年度の研究目的としており、二度にわたる積雪期の調査によって、これら現象を明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで2年間の研究成果を受けて、濃度が高いと思われる夏季におけるモノテルペン濃度を把握する必要があるため、7月あるいは8月に現地調査をおこなう。その調査結果に基づいて、温室効果ガス動態とモノテルペン濃度の関係について、現地調査および室内実験から、その相互作用を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度において、調査地における夏季観測および試料採取による室内培養実験を予定していたが、予定していた時期に天候が悪く、観測および試料採取がおこなえなかったため、旅費および必要な培養実験器具(培養フラスコ、試薬、ガス類等消耗品)の購入を延期したため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度実施できなかった現地における夏季観測および試料採取をおこない、必要器具(培養フラスコ、試薬、ガスなど消耗品類)を購入して、室内培養実験をおこなう。
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