国産針葉樹材からのバイオエタノール生産の実現に向け、国産針葉樹材からセルロースを単離することなく酵素糖化時の効率を向上させるためにイオン液体(1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート)を用いた前処理技術を検討した。最大100℃、8時間のイオン液体処理を施した針葉樹材の酵素糖化率は向上し、X線回折法による分析結果からセルロースの結晶構造に変化が見られた。活性炭処理および凍結乾燥法により水分除去した回収イオン液体は微量の溶解物よりも残存した水分が酵素糖化率に多大な影響を及ぼしていることが明らかとなった。
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