近藤らは植物プロトプラストを酸性かつ大過剰Ca2+下で培養することにより、β-1,3-グルカンからなる中空繊維束が産生されることを発見した。繊維分泌は細胞膜上で生じており、膜上の合成酵素の集合形態が中空繊維束の形成に寄与することが示唆された。 そこで、細胞を破裂させ、細胞膜表面を露出させた一細胞ゴーストをマイクロチャネルデバイスへ固定することで合成酵素の集合状態を維持したまま、繊維束産生現象を再現させる半人工モデル系を構築した。これにより繊維産生に関与する因子(pH、カルシウムイオン濃度、など)が特定された。とくに、マイクロチャネル内に生じるフローが、重要なファクターであることが判明した。
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