本研究は、「微生物群集は環境により異なるが、遺伝子群は普遍的に存在し、環境がセントラルドグマと代謝を選択する」という仮説を時空間的に異なる海洋生態系で実証することを目的とした。 試料は、西部北太平洋の亜寒帯と亜熱帯のそれぞれで表層と中深層、斬新層で採取した。 メタゲノムの遺伝子構造は測点や深度に関係なく同様の傾向を示し、その由来微生物群集構造は異なる傾向を示した。メタプロテオームは解析途中であるが、異なる傾向を示している。メタメタボロームも異なる傾向を示した。これらの結果は、本仮説を空間的に異なる海洋生態系で実証できたことを示す。今後は、本仮説を時間的に異なる海洋生態系で実証することを目指す。
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