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2014 年度 実施状況報告書

エイ類(トビエイ亜目)発生初期の胚が極めて短期間休眠することの実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26660161
研究機関長崎大学

研究代表者

山口 敦子  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (10310658)

研究分担者 古満 啓介  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 研究員 (30554266)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード胚休眠 / 繁殖 / 板鰓類 / エイ類 / 子宮 / 胎仔
研究実績の概要

トビエイ亜目の種多様性が高いことが判明した有明海をフィールドに、トビエイ亜目のうち胚休眠を持たないと考えていた種の定期的な採集を行った。特に、交尾・受精後から胎仔の発育初期の期間に、もし存在するのであれば、休眠期と発生再開期にあるものを捉えるために高頻度で採集した結果、多くの成熟雌の採集に成功し、目的とした複数のステージの卵や胎仔を得ることができた。組織の一部を注意深く固定液中に投入し、後日胚を切り出して再度固定した。固定した卵については電子顕微鏡下で観察し、それぞれステージ区分を行った。また、蛍光顕微鏡により卵の蛍光観察を行い、細胞レベルで発生段階を詳細に調べた。さらに、共焦点レーザー顕微鏡により胚の3D構造を復元し、卵の状態や構造的な特徴等を詳細に調べた。エイ成魚の成熟状態については組織学的観察により明らかにし、妊娠に伴う子宮の変化、特に絨毛の伸長度やその微細構造について解析した。以上の解析結果に基づき、これまで休眠期がないと考えていたエイ類にもごく短期間の休眠期がある可能性について見出すことが出来た。しかし、まだ実証には至っていないため、今後もデータを積み重ねて更に解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フィールドでの採集に工夫しながら時間を費やした結果、予定通りのサンプル採集に成功し、研究に必要な材料を得ることが出来た。また、まだ実証には至っていないものの、これまで胚休眠はないと考えられていた種にも胚休眠がある可能性を見出すことが出来たため、初年度としてはかなり順調に進んでいるものと考えている。

今後の研究の推進方策

本研究により、これまで休眠期がないと考えていたエイ類にもごく短期間であるが、休眠期がある可能性について見出すことが出来た。今後もデータを積み重ねてトビエイ亜目の繁殖様式を解明し、胚休眠に関する実証を進めるとともに、その実態を明らかにし、いつどのステージで胚休眠が起こるのかを明らかにするため、今年度と同様の手法で繰り返し卵や胎仔の観察、計測、解析を進める。さらにはフィールドで計測した水温等の環境データとあわせて検討することで、ごく短期間の休眠期を持つことの生態的・進化的な意義についても考察を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 有明海およびその周辺海域におけるナルトビエイの長期生態モニタリング2014

    • 著者名/発表者名
      山口敦子・古満啓介
    • 学会等名
      板鰓類シンポジウム2014
    • 発表場所
      東京大学弥生会館一条ホール(東京都文京区)
    • 年月日
      2014-12-04
  • [学会発表] 東シナ海北部におけるガンギエイの生態学的特性2014

    • 著者名/発表者名
      原康二郎・古満啓介・山口敦子
    • 学会等名
      板鰓類シンポジウム2014
    • 発表場所
      東京大学弥生会館一条ホール(東京都文京区)
    • 年月日
      2014-12-04
  • [学会発表] Reproductive aspects of the pale-edged stingray, Dasyatis zugei, in Ariake Bay, Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Furumitsu, K., and A. Yamaguchi:
    • 学会等名
      Joint Meeting of Ichthyologists and Herpetologists, 2014
    • 発表場所
      Chattanooga, Tennessee, USA
    • 年月日
      2014-08-02

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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