トビエイ亜目を中心に定期的なフィールド調査を行い、細胞レベルでの胚の発生段階を詳細に調べるとともに、親魚の成熟状態や胎仔への栄養供給について明らかにした。そのうち、アカエイについてはほぼ完全なデータセットを揃えることに成功した。これまでアカエイについては胚休眠期がなく、極めて短い妊娠期間を経て胎仔の発達が完了し、出産されると考えていたが、実際には受精後まもないステージ1の段階で胚の発生は突然休止して休眠卵となり、短期の胚休眠期を経て発生が再開された後はステージ9の発育段階まで一気に到達し、出産に至ることが判明し、ごく短期間の胚休眠期が存在することが初めて明らかになった。
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