研究課題
海洋メタゲノムデータや微生物個別ゲノムデータから発掘されたプロテオロドプシンや光捕集カロテノイド合成遺伝子を人工遺伝子合成し,マリンビブリオ細胞で効率よくかつ高い機能性を保持した状態で発現させることを目的とし,平成26年度は,海洋微生物ゲノムからの新規プロテオロドプシンおよび光捕集カロテノイド遺伝子の発掘を行った。1. 北海道および石垣島の海洋試料から分離された細菌の中から見いだされた,myxolという単環式カロテノイドの生合成細菌のゲノム塩基配列を決定した。myxol合成細菌は全てmyxol合成遺伝子群を有していた。それに加え,プロテオロドプシンおよびβカロテン15,15'-モノオキシゲナーゼ(blh)様のタンパク質をコードする遺伝子を有する菌株も見いだされた。特に,Nonlabens属のAra13株はプロトン排出型のプロテオロドプシン遺伝子に加え,ナトリウムイオン輸送型のプロテオロドプシン遺伝子も有していることが示唆された。2. さらに,前項と同様に分離された細菌の中に,ゼアキサンチンや新規な単環式カロテノイドを生合成することを見いだした。また,ゼアキサンチン合成菌のゲノム塩基配列を得て,カロテノイドの合成遺伝子クラスターを解析したところ,細菌の分子系統と遺伝子クラスターの構造が一致せず,多様性が観察されることを見いだした。また,同定が行えなかったカロテノイドを生成する菌株の中で,1株は カロテノイド合成遺伝子であるcrtBEIZYのセットを有していた。
2: おおむね順調に進展している
光栄養性代謝改変株の作製に有用なプロテロロドプシンおよびblhを見いだし,平成26年度の目標をほぼ達成した。
プロテオロドプシン遺伝子のマリンビブリオへの組み込みを進める。
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Genome Announc.
巻: 2 ページ: -
10.1128/genomeA.01095-14
10.1128/genomeA.01165-14
10.1128/genomeA.01168-14
10.1128/genomeA.01236-14