魚類の春機発動(生まれて初めて成熟すること)の生理メカニズムの解明に向けて、脳内で発現するキスペプチン遺伝子の発現、脳下垂体における生殖腺刺激ホルモン遺伝子の解析を行った。また、初回成熟を左右する成長と年齢の関係をハタ科魚類を用いて調べた。その結果、脳内におけるキスペプチン遺伝子の配列が明らかになるとともに、その測定が可能となった。この遺伝子は、卵黄蓄積を行っている個体で高い発現がみられた。また、魚種によって生殖腺刺激ホルモンの発現は性分化前と後で異なることがわかった。さらに、同じハタ科魚類であっても、初回成熟の決定に強く関わる因子は年齢である場合と成長である場合があることがわかった。
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