研究課題/領域番号 |
26660175
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高橋 明義 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (10183849)
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研究分担者 |
天野 勝文 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (10296428)
水澤 寛太 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (70458743)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | キンギョ / 自発摂餌 / 背景色 / 摂餌量 / 青色LED光 |
研究実績の概要 |
1. 自発摂餌システムの構築: キンギョに対応した自発摂餌システムを構築した。10 リットルガラス水槽内に赤外線光ファイバーセンサを設置し、センサの先端にキンギョが接触すると市販の餌が1粒水面に落下するしくみである。実験に用いたキンギョはいずれも自発摂餌開始1日目に体重の2%以上の餌を摂食し、自発摂餌を学習した。1日あたり4時間連続で1個体に自発摂餌を行わせても、毎日換水することで適切な飼育環境と摂餌量を維持できることが分かった。 2. 背景色が自発摂餌キンギョの摂餌と成長に及ぼす影響: キンギョ計16個体(平均初期体重6.3 g)をそれぞれ個別の自発摂餌水槽に収容し、蛍光灯照明下において6日間自発摂餌させた。7日目に体サイズを測定した。その後、水槽の背景色を黒または白に変更し(n = 8)、試験期間として8日目から6日間自発摂餌させ、14日目に体サイズを測定した。自発摂餌終了後に水槽内の残り餌を数え、摂餌量を算出した。試験期間中の日間成長率は黒背景群の方が白背景群に比べて高かった(P < 0.05)。一方、摂餌量に差は認められなかった(P = 0.36)。以上の結果は、自発摂餌条件下のキンギョにおいて、黒背景が白背景に比べて成長を促進することを示唆する。 3. 青色LED光が自発摂餌キンギョの摂餌と成長に及ぼす影響: キンギョ計18個体(平均初期体重5.6 g)を上記2.の実験と同様にガラス水槽内で自発摂餌学習させた後、飼育試験を行った。試験期間中の背景色はすべて黒とし、照明を蛍光灯または青色LED照明(ピーク波長464 nm)とした(n = 9)。試験期間中の日間成長率に差は認められなかった(P = 0.48)。一方、摂餌量は青色LED光照射群の方が蛍光灯光照射群に比べて高かった(P < 0.01)。以上の結果は青色LED照明が蛍光灯に比べて摂餌を促進することを示唆する。
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