研究課題/領域番号 |
26660182
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福田 晋 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40183925)
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研究分担者 |
森高 正博 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20423585)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 畜産経済学 / 粗飼料流通 / マーケティング / 線形計画モデル / コントラクター / 稲WCS / 契約取引理論 |
研究実績の概要 |
本研究では、高品質の粗飼料を生産し、流通できる粗飼料供給主体の成立条件を具体的に3つの事例を基に、粗飼料の価格、品質、流通範囲という商流と物流の観点及び資源循環の観点から理論的・実証的に明らかにするものである。 26年度は、2つの事例について、稲WCS,デントコーンサイレージに関する生産及び流通における主体間関係と各主体の意思決定方法・内容について実態調査を行い、契約取引理論に基づいた理論モデルの構築に取り組んだ。 27年度は、残りの1つの事例の実態調査を行い、各事例の需要者及び潜在的需要者に対して悉皆調査を実施し、需要者の品質ニーズの抽出、及び支払い意思額を品質条件別に計測する計画であった。しかし、調査票の設計と残りの事例の実態調査に時間を費やし、悉皆調査を実施するにいたっていない。この点は研究計画から遅れている。 同時に、各事例の生産圃場、ストックヤード、需要農家の畜舎の位置情報から距離行列を求めるとともに、荷役作業、輸送費用に関する情報も収集した。これらの情報は、物流費用最小化の線形計画モデルを基礎として、事例ごとに調整された物流モデルの構築・分析に用いられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
品質別需要関数計測のための悉皆調査によるデータ収集に至らなかった。そのため、27年度計測すべき品質別需要関数の計測が行われていない。この点を28年度の当初で行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
28年度は品質別需要関数の計測をまず行う。品質別の供給曲線は26,27年度に行った取引調査をもとに与件として与えたうえで、品質別需要関数モデル、物流モデル、そしてそれらをつなぐ取引モデルが同時に均衡するように統合モデルを解析する。 さらに、統合モデルを用いて、各種のシミュレーションを行い、国産粗飼料の広域流通が成立する条件およびその際の流通圏域を明らかにする。シミュレーションにおいては、パラメトリックに輸入粗飼料価格や助成金体系を変更させることで、国産粗飼料の広域流通が成立する条件や流通圏域の感度分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度の積み残しの事例調査と悉皆調査のための調査票設計に時間を要したため、品質別需要関数計測のための悉皆調査が行われていない。このため、次年度に使用する助成金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
品質別需要関数計測のための悉皆調査を事例ごとに実施するために使用する。また、27年までに収集したデータを利用して統合モデルを構築し、シミュレーション分析を行うために使用する。
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