高速中性子数(φ)の測定に基づくCOSMOS(COsmic-ray Soil Moisture Observing System)を活用した革新的な土砂災害警報システムを検討した。測定領域の不均一性および植物群落内水分量の推定が困難だったことが原因で,COSMOSによるφ値に基づき斜面の表層土壌水分量(θ)を正確に推定することはできなかったが,集中豪雨および連続乾天期間中の土壌雨量指数(SWI)またはθに対するφの負の応答は認められた。よって,斜面上の植物群落の成長を考慮した土壌水分評価モデルを構築できれば,COSMOSは斜面の表層土壌水分量を連続測定できる唯一の方法となろう。
|