淡水レンズ地下水が、流動が遅く長く滞留している中心部分とそれを取り囲む流動が速い若い地下水部分からなる内部構造をもつことを、実測によって明らかにした。典型的淡水レンズがある島嶼において、地下水面付近の高密度温度観測、淡水レンズ下部の多深度電気伝導度観測、淡水レンズ側方外縁部の洞窟内での流向流速観測を行い、(1)大きな降雨時の散発的な地下浸透・淡水レンズへの付加により地下水面下に温度が異なる若い地下水からなる層を生じさせること、(2)降雨の付加のほか潮汐等の影響によって淡水レンズ下面位置が上下動すること、(3)側方外縁部においても潮汐の影響により水平方向に往復する流動が生じることを明らかにした。
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