研究課題
微気象データのように経年変化のある時系列データに対して,適切な学習データを自動的に抽出し予測精度が向上するよう自律的に予測モデルを再構築し続けることのできる機械学習アルゴリズムSW-SVR (Sliding Window-based Support Vector Regression)の詳細評価を進めた.SW-SVRは,現在の環境に特化した予測モデルの構築と再構築を自律的に繰り返すことで,計算量を削減しつつ高精度な予測を実現する.SW-SVRを用いた施設園芸環境向け知的制御システムのプロトタイプ実装として窒素吸収量予測制御システムを研究開発した.静岡県農林技術研究所の施設園芸環境で実施した実証実験では,SW-SVRは従来予測手法やオンライン学習器と比べ,窒素吸収量の予測誤差を大幅に削減し,栽培後には糖度8%以上の高糖度なトマトを収穫することに成功した.予測誤差の指標には,Mean Absolute Error (MAE),Root Mean Square Error (RMSE),Mean Absolute Percent Error (MAPE)の三種類を用い,SVRの他に機械学習アルゴリズムとして広く利用されるArtificial Neural Network (ANN),Random Forest (RF),さらに,本研究で提案するShort-distance Data Collection (SDC)と類似したk近傍法(KNN),またオンライン学習器PAを実装しているJubatusと比較した.MAEとMAPEではSW-SVRが予測誤差最小であり,RMSEに関しても平均値以下の予測誤差を示した.MAPEではKNNやRFの予測誤差に対し約50%削減する高精度な結果を得られ,経年変化のある農業データに対する予測に優れた予測手法であることを示した.
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情報処理学会論文誌(トランザクション), コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻: 6 ページ: 1-8
Expert Systems With Applications
巻: 57 ページ: 1-14
10.1016/j.eswa.2016.04.012
http://www.minelab.jp/?p=62