E2処理実験:(ウズラ胚)生殖腺の形態の左右比およびアロマターゼ遺伝子発現量で0日胚の処理では生殖腺の雌性化の影響が見られたが、それ以降の胚に対するE2処理ではほとんど生殖腺への影響が見られなかった。(ニワトリ胚)生殖腺の形態の左右比は、雄に比べて有意に大きくなり、雌化が進んだが、アロマターぜ遺伝子発現については殆どE2の影響を受けず、雄と有意差があるほどアロマターぜ発現量が増加することはなかった。 AI処理実験:(ウズラ胚)生殖腺の左右比は3日胚以前の処理で対照群雌の約30%、6日胚での処理では約40%、9日胚での処理では約90%になっている。アロマターゼ遺伝子発現量は、3日胚以前で対照群雌の約50%まで低下した。(ニワトリ胚)生殖腺の左右比は6日胚以前の処理で対照群雌の約40%、9日胚での処理では約80%になっている。アロマターゼ遺伝子発現量は各胚齢での処理でほとんど生殖腺への影響が見られなかった。これまでのE2・AI処理実験全体の結果からウズラ胚とニワトリ胚の結果から、いくつかの点で違いが見られたので、その違いが何に起因するか検討する予定である。また、生殖腺の形態の左右比は、アロマターぜ遺伝子発現よりも影響を受けやすいことが明らかになった。 ウズラの脳の凍結切片を用いて、エストラジオールの局在性を質量分析イメージング装置により解析し、脳内におけるエストラジオール局在およびその定量解析を試みたところ、エストラジオールを測定できる可能性が確認した。
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