研究課題/領域番号 |
26660215
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松本 和也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20298938)
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研究分担者 |
永井 宏平 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70500578)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生物情報 |
研究実績の概要 |
肥育期間中に和牛の肥育状況を評価する管理指標を確立するため、現在我々は枝肉形質を肥育中に予測するバイオマーカータンパク質の開発を進めている。最近、ヒト体液中の分泌型マイクロRNA(miRNA)が、疾患の新たなバイオマーカーとしての可能性が報告されている。タンパク質マーカーに加えて、遺伝子発現抑制機能を有するmiRNAマーカーが開発されれば、和牛の肥育状況を統合的に理解することが可能になると考えられる。そこで、本研究では、血清中に分泌されたmiRNAに着目して肥育中に枝肉形質を予測するバイオマーカーとしての可能性を検討した。実験には、同一種雄牛の産子である黒毛和種去勢牛群(高BMSナンバー群5頭vs.低BMSナンバー群5頭)のと畜時血清を供試した。一次スクリーニングでは、5頭の血清を当量混合後Exosome分画からRNAを抽出して、マイクロRNAアレイ (Affymetrix社)を用いた網羅的スクリーニング(3回反復試験)を行った。その結果、脂肪分化に関与することが報告されているmiRNAなどがリストアップされた。現在、二次スクリーニングとして、別の個体群の血清を用いて、定量RT-PCR解析を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の実施計画に従って、分泌型miRNAの包括的マイクロアレイ解析をしたところ、枝肉形質のBMSナンバーと相関性の高い54種類のmiRNAがバイオマーカー候補として同定された。脂肪分化に関与することが報告されているmiRNAなどがリストアップされており、当初の目的を達成していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
本年度まで同定されたバイオマーカーmiRNA候補(54種類)については、他個体群由来全血清及びエクソソーム分画における定量RT-PCR解析による検証を行なう。さらに、検証より絞り込んだバイオマーカーmiRNA候補については、肥育期間中の血清中miRNAのプロファイリング解析とバイオマーカーとしての実証実験に向けた基礎的知見を獲得する。
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