研究課題
昨年度明らかにした「衛星細胞活性化因子HGFのニトロ化」をさらに追究するため、ニトロ化HGFの生理活性を調べた。成熟ラットの骨格筋から単離した衛星細胞の初代培養系にニトロ化HGFを終濃度2.5 ng/mlで添加し24時間後の活性化率をBrdUパルス標識法によりアッセイした。陽性コントロールとしてリコンビナントHGF(ニトロ化処理なし)を同様に添加した場合には正常に衛星細胞は活性化されたのに対し、ニトロ化HGFには有意な活性化活性は認められなかった。このことはHGFがニトロ化されるとその生理活性を失うことを意味している。従って、これまでに明らかにしてきた「物理刺激をトリガーとしたHGFによる衛星細胞の活性化機構」に「HGFのニトロ化」という抑制的経路を加えることが出来る成果と期待された。IN VIVOでの知見も必要であるが、細胞増殖因子の分解による活性消失の他に「ニトロ化」という新しい制御モードもあることを提起することも期待された。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
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