立山の野生ニホンライチョウの腸内菌叢を網羅解析したところ、Synergistesなど飼育下のスバールバルライチョウから失われている菌群を優勢に検出した。解毒効果や保健効果を示す菌群が含まれると推測されたので、これらの細菌を分離し、毒性成分の一つであるロドデノール分解活性を検定した。野生ライチョウの糞便細菌は、被検物質を完全に分解したが、飼育ライチョウのものは全くできなかった。野生ライチョウから単離したLactobacillus plantarumについては24時間で最大30%程度の分解率を示したが、大腸菌群には分解能がなかった。終了後の現在も、有用細菌の探索を続けている。
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