万能薬と呼ばれるステロイド系抗炎症薬(ステロイド)の免疫抑制作用は、広範かつ強力である。しかし、その作用機序は完全に分かっていない。本研究では、ステロイドの応用因子としてのプロスタグランジンの作用証明とその産生促進機構を明らかにし、新しい免疫抑制方法の開発に応用することを目的とし、菌体成分投与による肺炎症状を、野生型マウスとプロスタグランジンの合成酵素と受容体の欠損マウスで比較評価した。その結果、これらの遺伝子欠損マウスでは、ステロイドの抗炎症作用、特に浮腫形成が一部解除されることが分かった。つまり、プロスタグランジンがステロイドの抗炎症作用機構の一部を担っていることが証明された。
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