マウスノロウイルス(MNV)持続感染細胞の培養上清中ウイルスRNAの総量は、死細胞数と高い相関関係を認めた。透過型電顕解析では二重膜小胞内にウイルス粒子を認め、抗MNV血清と細胞質小胞マーカーを用いた間接二重蛍光抗体法では、MNV抗原がRab7の分布とほぼ一致することが示された。以上の知見からMNV持続感染培養系の生活環は、RAW264.7細胞が死細胞から放出されたMNVをエンドサイトーシスにより取り込んでRab7陽性後期エンドソームに貯蔵する。細胞の多くはMNVが増殖することなく壊死するが、一部の細胞ではMNVが増殖してアポトーシスを引き起こし、新たなウイルスの供給源になると考えられる。
|