研究課題/領域番号 |
26660236
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
チェンバーズ ジェームズ 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (00621682)
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研究分担者 |
内田 和幸 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (10223554)
中山 裕之 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40155891)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 獣医病理診断 / 腫瘍 / 組織マイクロアレイ / 組織球性肉腫 / 消化管ポリープ / 腎細胞癌 / 胸腺腫 |
研究実績の概要 |
イヌの全身諸臓器の組織マイクロアレイを用いて、蛋白質の発現分布および発現程度を網羅的に評価したうえで、以下の腫瘍について診断マーカーを探索するとともにその病態を解析した。 組織球系腫瘍(HCS):従来のマーカーに加えてCD204およびCD163が病理診断に有用であることを確認した。CD204については、髄膜に発生するHCSと関節に発生するHCSで発現程度が異ななり、これらの腫瘍細胞が異なる特徴を有することが示された。 消化管ポリープ:ミニチュアダックスフンド(MD)とジャックラッセルテリア(JRT)に発生する消化管ポリープについて解析した。MDは大腸に炎症性ポリープが好発し、初期病変ではCK20陽性で分化度の高い上皮細胞が増殖するが、進行した病変では異型上皮の増殖巣が形成されることが分かった。この異型上皮はCK20陰性、β-cateninの核内移行を認めるなど悪性転化を示唆する所見を認めた。JRTは胃から大腸にかけて腺腫性ポリープが発生し、β-cateninの染色性が悪性腫瘍との鑑別に有用であることを確認した。 腎細胞癌:CD10、TGF-βおよび各種cadherinを指標にして腎細胞癌を細分化し、これまでの動物の腫瘍分類には無かった肉腫様を呈する腎細胞癌について解析した。 胸腺腫瘍:各種cytokeratinおよびp63、BMP6を用いて胸腺の皮質および髄質の上皮を区別するとともに、特殊な組織型の胸腺腫瘍においてもこれらのマーカーが診断に有用であることを確認した。
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