研究課題/領域番号 |
26660254
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
江口 正浩 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所・細菌・寄生虫研究領域, 主任研究員 (00312215)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | サルモネラ / F(ab)2 / モノクローナル抗体 / 感染防御 |
研究実績の概要 |
目的:サルモネラ感染防御における液性免疫応答の機能は不明な点が多い。これまでに、我々は、サルモネラ感染防御をマウスに付与できるモノクローナル抗体(mAb,414B)の作製に国内外の研究機関に先駆けて成功した。興味深いことに、作製した抗体(414B)のF(ab)2(抗原結合部位)をマウスに移入し、その後、サルモネラを感染させるとF(ab)2処理前の414B抗体と同様に感染防御を示すことを明らかにした。これまでにF(ab)2がサルモネラ感染防御能を有しているという報告はなく、抗原結合部位を介した感染防御機構は、抗体の新機能である可能性が高い。本研究は、サルモネラ感染を防御するF(ab)2の新たな機能を解明する。本研究成果よりサルモネラに対する液性免疫応答の新たな機能発見が期待できる。 結果:サルモネラに414B抗体を結合させた後のサルモネラの生菌数を Microbial Viability Assay Kit-WSTで測定した。414B抗体を結合させたサルモネラは、無処置およびコントロール抗体と結合させたサルモネラに比べて生菌数が低下した。また、414B抗体を結合させたサルモネラを電子顕微鏡にて観察したところ、414B抗体を結合させたサルモネラは、無処置のサルモネラに比べて菌体膜の形状が変化した。以上の結果から、414B抗体がサルモネラと結合することで、サルモネラを死滅させていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究目標は、抗体と菌が結合した際に菌の生死を確認することであった。計画していた実験手法にて、成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
F(ab)2の他、Fabでも同様の結果が得られるかどうか検討する予定である。また、他の血清型でも効果を示すか検討する予定である。さらに、菌が抗体に結合した際のサルモネラに対するDNAアレイを実施し、遺伝子を網羅的に解析する予定である。
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