本研究では、近年開発されたゲノム編集技術であるCrispr/Cas9システムを用いて、受精を阻害できる遺伝子を性染色体にノックインし、この遺伝子をもつ精子の受精を阻害することで雌雄の産み分けを可能にする技術の開発を目的とした。今回は、目的の遺伝子をX染色体にノックインし、X染色体を持つ精子が受精できない、つまり雄のみを産む個体の作出を計画した。その結果、3系統の雄において遺伝子が挿入されていたが、雄のみを産む個体は得られなかった。他の雄系統においても交配実験を継続中であり、雌系統の組換えマスにおいては野生型雄との交配により雄の組換えマウスの系統確立を行っている。
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