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2015 年度 実施状況報告書

カザフスタン在来馬を用いた家畜馬の起源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26660257
研究機関岡山大学

研究代表者

国枝 哲夫  岡山大学, その他の研究科, 教授 (80178011)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード在来馬 / カザフスタン / 遺伝的多様性
研究実績の概要

本研究では、これまでにカザフスタン在来馬の集団より採取したDNAサンプルを用いて、各種のDNA多型マーカーの解析を行うことで、これら集団の遺伝的特徴を解析し、他在来馬集団および既存品種の馬と比較することにより、本集団が他の家畜馬とは由来の異なる集団であるか否かを明らかとすることを目的とする。
カザフスタンには大きく分けて、ジャベイという主にカザフスタン中部から北東部で飼育されている寒冷地に適応した在来馬と、アダイという西部を中心に飼育されている乾燥地に適応した在来馬が存在することが知られている。前年度はこれらのジャベイ、アダイとは異なるコスタナイ種等を中心に解析をおこなったが、本年度は主にジャベイについての遺伝学的解析を行った。具体的には、マイクロサテライトマーカーのタイピングを行うとともに、ミトコンドリアDNADループ領域の塩基配列の解析を行った。その結果、ジャベイの集団の中で、これらの遺伝的マーカーの対立遺伝子あるいはハプロタイプは多様性に富んでおり、ジャベイ集団の集団内における遺伝的多様性は維持されていることが推測された。さらにこれらの遺伝的マーカーを用いることでジャベイ集団は他のウマの集団と遺伝的分離されることが明らかとなった。特にミトコンドリアDNADループ領域の配列では、これまでに報告されていないハプロタイプが検出され、ジャベイ集団は他の集団とは異なる遺伝的特性を持つ可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度、本年度の研究を通して、当初の計画通りカザフスタンの東部の各地からサンプリングされた、ジャベイ集団およびコスタナイ種等の在来馬の解析は行うことができたが、西部のアダイ集団については、解析は十分にできていない。これは、アダイ集団のサンプル数が統計学的な解析を行うの十分ではないことによる。この点については、新たにアダイ集団のDNAサンプルを得ることについての目処がついたため、研究期間を延長してアダイ集団の解析を行うこととした。

今後の研究の推進方策

カザフスタン西部の各地より収集されたアダイ集団のDNAサンプルを用いて、マイクロサテライトマーカーのタイピングを行うとともに、ミトコンドリアDNADループ領域の塩基配列の解析を行う。さらにアダイ集団以外のジャベイ集団、コスタナイ種のDNAサンプルも含めて、多数の一塩基多型(SNP)の解析も行い、これらの集団および世界各地のウマの集団の間の類縁関係を明らかとすることで、カザフスタン在来馬の遺伝的特徴を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当初、研究開始の時点で収集されているカザフスタン在来馬のDNAサンプルを用いて、家畜馬の起源に関する研究を実施する予定であったが、その後、より多くの重要なカザフスタン在来馬のDNAサンプルを入手する目処がたったため、予定を変更し、当初のサンプルを用いた予備的な解析を進めるとともに、これらの新たなサンプルの収集を待って、より本格的な解析を開始することとしたため、研究計画の遅延が生じた。

次年度使用額の使用計画

カザフスタン西部の各地より収集されたアダイ集団のDNAサンプルを用いて、マイクロサテライトマーカーのタイピングを行うとともに、ミトコンドリアDNADループ領域の塩基配列の解析を行う。さらにアダイ集団以外のジャベイ集団、コスタナイ種のDNAサンプルも含めて、多数の一塩基多型(SNP)の解析も行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Allelic frequencies and association with carcass traits of six genes in local subpopulations of Japanese Black cattle.2015

    • 著者名/発表者名
      ishimaki, T., Ibi, T.,Siqintuya, Kobayashi, N., Matsuhashi, T., Akiyama, T., Yoshida, E., Imai, K., Matsui, M., Uemura, K.,, Eto, H., Watanabe, N., Fujita, T., Saito, Y., Komatsu, T., Hoshiba, H., Mannen, H., Sasazaki, S., Kunieda, T.
    • 雑誌名

      Anim. Sci. J

      巻: 87 ページ: 469-476

    • DOI

      10.1111/asj.12453

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 岡山県固有の黒毛和種希少系統の遺伝学的特徴の解析2015

    • 著者名/発表者名
      田一裕、奥田ゆう、斯琴図雅、西牧孝洋、松本大和、宮崎義之、揖斐隆之、辻 岳人、国枝哲夫
    • 雑誌名

      日本畜産学会報

      巻: 87 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] ラオスのセキショクヤケイにおける遺伝的多様性と類縁関係2016

    • 著者名/発表者名
      山本義雄、奥田ゆう、Soukanh Keonouchanh、 Bounthong Bouahom、国枝哲夫
    • 学会等名
      日本畜産学会第120回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-30
  • [学会発表] Myanmar, Laos およびVietnam 在来家畜の遺伝学的調査2016

    • 著者名/発表者名
      国枝 哲夫、奥田ゆう
    • 学会等名
      日本動物遺伝育種学会・在来家畜研究会合同シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-27
    • 招待講演
  • [学会発表] ミトコンドリアDNAおよびY染色体マーカーを用いたラオス在来馬の遺伝学的解析2015

    • 著者名/発表者名
      奥田ゆう、濱田秀一、山本義雄、Bounthavone Kounnavongsa、Soukanh Keonouchanh、Bounthong Bouahom、国枝哲夫
    • 学会等名
      第16回日本動物遺伝育種学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2015-10-07 – 2015-10-08

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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