鳥類発生工学技術を用いて、ウズラの近交種‐雑種間の胚盤葉キメラの作出を試みた。移植したドナー細胞を追跡するために、生細胞標識条件を確立した。また、いかなる発生段階においても胚発生の観察を可能にするウズラ発育卵の培養技術を改良した。鳥類近交退化現象を解析するために、近交種‐雑種間キメラの作出という新たな手法を導入することで、同一個体内で近交種細胞と雑種細胞を実験的に共存・競合させ、近交種細胞の発生運命を解析するための実験基盤を整備した。今後、近親交配による胚死亡や胚発生異常の原因追究が期待される。
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