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2014 年度 実施状況報告書

CRISPR/Casシステムを用いた遺伝子ノックアウト法の吸汁性昆虫への適用

研究課題

研究課題/領域番号 26660274
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

松本 由記子  独立行政法人農業生物資源研究所, 加害・耐虫機構研究ユニット, 研究員 (80414944)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードCRISPR / ツマグロヨコバイ
研究実績の概要

研究所内での規定により実験の申請を出したが、許可が下りたのが8月であったため、それから実験を開始した。
NcLac1S (唾液ラッカーゼ)遺伝子の開始コドン付近の配列を2つ選んで標的とした(sgRNA_1, 2)。Cas9 (polyA配列付加)およびsgRNA_1、sgRNA_2をin vitroで転写し精製した。まずParental RNAiと近い手法で実験を行った。ツマグロヨコバイメス成虫(羽化1日以内)にCas9 + sgRNAの混合溶液をインジェクションし、さらに4日後に試験管内でintactのオスとペアにして、1ペアずつ交尾、産卵させ、次世代を飼育した。しかし、最初に使用した系統では、実は標的配列付近に予想より多くの多型があり、ゲノム編集のチェックが難しいことが明らかとなった。そこで、次に近交系のツマグロヨコバイを使って同様に実験を行った。こちらは標的配列付近の多型はおそらくほとんどないことを確認した。
インジェクションしたメス16頭のうち10頭から生まれた193頭の幼虫を回収し、一個体ごとにDNA精製した。標的配列を含んだPCRを行い、その産物を加熱によって再アニーリング後、T7エンドヌクレアーゼI処理して電気泳動を行った。ゲノム編集が成功していれば、再アニーリングによってヘテロ二本鎖ができ、それがT7エンドIによって切断される。しかしながら、今回の実験ではチェックした193個体すべてで結果はネガティブであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

飛翔性昆虫のゲノム改変実験のため、当研究所に実験申請を行い、許可が下りたのが8月と遅れたこと。

今後の研究の推進方策

今回使用したmRNA, sgRMAの量は、メダカでの報告 (Hwang et al., 2013)を参考に、近い値で行ったが、doseを増やすことを検討している。今年度は成虫のインジェクションのみを行ったが卵・幼虫でのインジェクションも次年度以降行う。
また、NcLac1S以外にNcLac2を標的遺伝子として使用することも検討している。NcLac2は外皮の硬化・黒化に作用する遺伝子で、Parental RNAi実験で確認したところ、生まれてきた幼虫の色素が薄くなりまた1齢幼虫の間の死亡率が上昇することが明らかとなった(論文投稿中)。NcLac2遺伝子のゲノム編集が成功した場合、遺伝子での確認以外に外見での確認ができる可能性があると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

H26年度は8月から研究を開始したため、実験計画、試薬購入がやや遅れた.

次年度使用額の使用計画

実験の結果をふまえつつ、試薬購入 (RNA作製・精製用、T7エンドヌクレアーゼ等)。

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公開日: 2016-05-27  

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