研究実績の概要 |
Parental RNAiと同様の手法でCRISPR/Cas9を行う計画があるため、ツマグロヨコバイでのParental RNAiが効果が実際にあるかの確認を行った。 ツマグロヨコバイ表皮で発現し、表皮の硬化や色素沈着に関与すると考えられるラッカーゼ遺伝子(NcLac2)と、唾腺で高発現している機能未知遺伝子のひとつ (comp_3975, Matsumoto et al., 2014. J. Insect Physiol. 71: 170-176)を用いた。メス成虫へのdsRNAのインジェクション (個体当たり 1.5-9 ng/uL)によって、次世代1齢幼虫での遺伝子発現量は、NcLac2遺伝子で7.4-9.1%、comp_3975で4.5-5.6%に減少した。NcLac2 parental RNAi により次世代の1齢幼虫では表皮の体側にある色素が消失もしくは退色、また最初の脱皮より前に大部分の次世代1齢幼虫が死亡するという結果となり、parental RNAiはツマグロヨコバイで効果があることが示された。インジェクションの効果は、インジェクション後12-14日後に産卵され孵化した次世代幼虫でも継続していた。comp_3975については次世代幼虫の生存率に大きな影響は見られなかった。これらをまとめて論文とした (Matsumoto and Hattori, 2015. Arch. Insect. Biochem. Physiol., 91: 152-164)。
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