parental RNAiと同じ手法を用いる計画であるため、NcLac2遺伝子(ツマグロヨコバイ表皮で高発現し、表皮の硬化や色素沈着に関与すると考えられるラッカーゼ遺伝子)についてparental RNAiが有効であり、その次世代である孵化幼虫では色素沈着がほとんど起きず、かつ死亡率が高く、表現型が容易に判別できることを前年度に確認した。 NcLac2遺伝子をCRISPRの実験に用いた。NcLac2ゲノムDNA配列を確認したが、最も上流側の配列を確認できず(理由不明)時間を要した。ある程度確認できたゲノムDNA配列からNcLac2遺伝子5’側のエキソン-イントロン部位にsgRNAを2種類設計してCRISPRの実験を行った。理由は不明だが、これまで使用していたキット(mMESSAGE mMACHINE T7 Ultra KitとMAXIscript kit)で作成したキャップ・polyA付加RNAおよびsgRNAともに非常に増幅・収量が悪く、何度か試行のあとに別のキット (T7 RiboMAX Express RNAi System)を利用してRNAを作成したため時間を要した。前回のCRISPR実験より高濃度にしたRNA・sgRNAでインジェクションを行い産卵させ孵化幼虫を回収してゲノムDNAを抽出してチェックしたが、ゲノムでの欠失は見られなかった。卵にRNAを打ち込む実験も試みたが、うまくいかなかった。
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