• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

寄生蜂の移動分散における寄主の食草の役割

研究課題

研究課題/領域番号 26660281
研究機関京都大学

研究代表者

高林 純示  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10197197)

研究分担者 三木 衣代 (米谷衣代)  京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (50618593) [辞退]
上船 雅義  名城大学, 農学部, 准教授 (90559775)
小澤 理香  京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (90597725)
仲島 義貴  京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (80322882)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードアオムシサムライコマユバチ / アブラナ科植物 / マイクロサテライトマーカー / 移動分散 / 個体群
研究実績の概要

本研究ではDNAマーカーを用いた寄生蜂の個体群間の遺伝子交流を指標に涵養源から農地への天敵の移動分散を理解することを目的としている。平成26年度に京都市賀茂川の源流域から下流域および日本各地(北海道、京都府、滋賀県)において採取したコナガサムライコマユバチ(コナガコマユバチ)個体について、当該年度は、同属Cotesiaの数種で既に開発されているマーカーを用いて、マイクロサテライト解析を行った。その結果、増殖は認められたが、マーカーの多型は認められなかった。そこで、対象をコナガコマユバチから、同属であるアオムシサムライコマユバチ(アオムシコマユバチ)に変更し、研究を継続することとした。新たな対象のアオムシコマユバチは、コナガと同様にアブラナ科の植物を食草とするモンシロチョウ幼虫を寄主としていること、また、コナガコマユバチと同属であるため、既にコナガコマユバチで確認済みのマーカーが使用できると考えられたことから、この対象の変更は全体の計画に大きく影響しないと考えた。
日本各地(北海道、千葉県、愛知県、滋賀県、京都府、広島県)にてアオムシコマユバチを採取した。これらの個体について、ミトコンドリアCytochrome Oxidase subunit I(COI)領域による遺伝子解析およびコナガコマユバチに用いたものと同じ遺伝子配列を用いたマイクロサテライト解析を行った。その結果、COI解析に関しては、地域間での変異は認められなかった。一方マイクロサテライト解析では、アオムシコマユバチにおいてもマーカーの増殖が認められ、さらに、地域間あるいは同じ地域内においても、マーカーに多型が認められた。今後はこれらのマーカーを用いて、アオムシコマユバチを対象に近距離の個体群の遺伝子交流を調べていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

対象寄生蜂種の変更はあったが、当該年度に前対象種で選抜したマイクロサテライトマーカーが利用できることが確認できたため、アブラナ科植物の調査に遅れがあるものの、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

H28年度は、京都市内で寄生蜂の移動距離を考慮したサンプリングを行う。マイクロサテライトマーカーが有効であることが確認できたので、これを用いて、遺伝子交流を解析し、移動分散について考察する。寄生蜂採取場所におけるアブラナ科植物の調査を行い、植物種と個体群の関係を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は、対象昆虫を変更したため、本格的な採取には至らなかった。このためDNAの抽出ならびに遺伝子解析のための試薬代等の消耗品にかかる費用が予定より少なかった。ゆえに次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

H28年度は、変更対象種アオムシコマユバチの採取およびマイクロサテライトマーカー解析を実施する。これに伴い、当該予算は次年度助成金と合わせて、分子遺伝的解析における消耗品代としての使用を計画している。

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi