(1)欧州及びアジア諸国における緑道の計画・整備に関する最新情報を収集・分析した。欧州諸国では、自転車・歩行車道の系統的整備が進められており、鉄道等の公共交通機関との連携も図られていた。また、生態的回廊と緑道の機能重合を図っている事例も多く見られた。海外調査の成果は、雑誌記事にまとめるとともに、「グリーンインフラ}日経BP社刊の1つの章に執筆した。(2)日本国内の緑道整備事例を把握しその問題点を分析した。国内の緑道は大都市に偏在しており、中小都市や農村部では整備が進んでいな状況が明らかになった。国内で系統的な整備が見られたのは、ニュータウンのみであった。また、緑道は主に河川敷、河川埋立地、鉄道跡地に整備されていた。(3)緑道の幅員構成について、事例調査をもとに解析した。通行帯(自転車と歩行者が通る空間)の最大幅員はおおむね10m程度であり、緑道の総幅員が広くなるほど、緑地帯の幅員が広く取られている傾向が明らかであった。(4)鳥取市において緑道の計画に関する事例研究を行った。自転車の通行路としての安全性について現地調査にもとづいて計画案を作成した。また、交通安全に配慮した計画手法について取りまとめた。(5)堺市において、緑道の分断が、自転車の円滑な通行に与える負の影響について調査し、改善方法を提案した。 以上の研究結果を取りまとめて、複数回、学会で発表した。また、個別の事例調査の結果は雑誌記事としてまとめた。研究全体の成果は「グリーンインフラ}日経BP社刊の1つの章に執筆した。
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