本研究は近年集積されつつある膜受容体の立体構造情報を活用して受容体の合成リガンドへの新規化学プロセス能を付与することならびに構造観測を目的とする。5種のクラスA型GPCRに対して酵母宿主を用いた発現精製を進め、アデノシンA2a受容体に対してエステラーゼ型あるいはペプチダーゼ型の加水分解活性付与を想定した変異体を取得し、リガンド結合性試験と活性測定系の策定を行った。ドーパミンD1受容体については3Lスケールからの単離精製を行い、最終的にアンタゴニスト結合性を有し、熱分析による融解温度が60℃を超える標品およそ0.15 mgを得た。この標品を用いて結晶化を実施した。
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