研究課題
・ シロイヌナズナに存在する活性化型MYB3R(MYB3R4)と抑制型MYB3R(MYB3R3)が独立に異なる複合体を形成していること、この複合体が動物において知られるDREAM complexに似たサブユニット構成を示すことを示した。MYB3R3は抑制型のE2FであるE2FCと、MYB3R4は活性化型E2FであるE2FBとそれぞれ複合体を形成していた。・ E2FB-GFP形質転換体を用いて、抗GFP抗体を用いて行った免疫沈降物をプロテオミクス解析した結果、動物のDREAM complexの構成因子のホモログが検出された。これらにはALY2, TCX5/6のほか、MSI1も含まれていた。またこの実験によりMYB3R1も検出され、改めてE2FとMYB3Rが同じ複合体を形成していることが確認された。同様にE2FC-GFP形質転換体を用いた場合にも、ALY3, TCX5, およびMSI1が検出された。・ MYB3RとE2Fの間の機能的な相互作用を調べるため、MYB3RとE2Fを同時に欠く多重変異体を作出して、表現型の解析を行った。まだ、すべての組み合わせの変異体は得られていないが、現在までのところ、MYB3RとE2Fの遺伝学的な相互作用は観察されておらず、この2つの転写因子が同じ複合体内で機能していることの生理的な意義はまだ明らかではない。・ MYB3R と複合体を形成することが予想される因子群の間にどのような機能的な相互作用があるのかを調べるため、多重変異体の作出を行った。MYB3Rと複合体を構成することが予想されるALYおよびTCXファミリーの遺伝子の破壊株を、MYB3RおよびE2Fの破壊株と交配し、変異を組み合わせた植物の獲得を行っている。現在までに、はっきりとした遺伝学的な相互作用を示す組み合わせは見つけられていないが、今後、変異の組み合わせを増やして表現型や遺伝子発現の解析に用いる予定である。
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