イノラートとトリプチセンとの4連続反応によりトリプチセンが生成することを見出した。本反応は9位に水酸基、10位にアルキル基を有するトリプチセンを1反応で合成することができる。当初はベンザインをリチウムハロゲン交換による方法で発生させていたが低収率であった。そこでベンザインの生成法を詳細に検討したところ、フッ化ベンゼンのオルトリチオ化法が最も適していることがわかった。さらに、オルトメトキシベンザインをイノラートと反応させると、位置選択的に反応が進行し、酸素官能基が同一面にそろったトリプチセンが得られ、さらにフッ素置換のトリプチセンも得られ、ハニカム分子の単位構造の足場作りができた。
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