研究成果の概要 |
酸化銀を用いたオキサゾリンとNHCの同時形成によるビスオキサゾリン-NHC-Ag(I)錯体の合成法を確立し、この錯体から各種ピンサー型NHC-金属錯体を得た。NHC-Cr(III)錯体に触媒機能は確認できなかったが、NHC-Pt(II)錯体のジカチオン性錯体は1,5-エンイン環化異性化を触媒し、選択性は低いものの不斉誘起能を示した。一方でビナフチルが縮環したイミダゾリリデン型NHC配位子-AuCl錯体の合成に成功し、そのカチオン性錯体は不斉エン‐イン環化反応を触媒し、定量的に78% eeの生成物を与えることを見出した。配位子の修飾によるピンサー型ビナフチル縮環NHC配位子の合成を検討中である。
|