相補的3連水素結合ユニットを両サイドに有するアゾベンゼン型分子の設計・合成を行った。まずは適時構造変化ユニットとしての分子機能に特化し,触媒素子を持たない構造変化操作を可能にする分子の創製を目指した。各種リンカーを介してF4-アゾベンゼンと3連水素結合ユニットを連結し,cis/trans異性化における構造特性の変化を精査した結果,trans体では濃度依存的に分子間水素結合が緩く見られる一方,cis体においては非濃度依存的に分子間水素結合によるフォールディングした構造を取る事を確認した。本現象は,リンカー部にキラリティーを導入することでエナンチオ選択的に進行する事も見出している。
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