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2014 年度 実施状況報告書

内用放射線治療の効果予測・評価のためのチェレンコフ光インビボイメージング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26670011
研究機関京都大学

研究代表者

佐治 英郎  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40115853)

研究分担者 木村 寛之  京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助教 (50437240)
天滿 敬  独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (90378787)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードイメージング / チェレンコフ光 / 内用放射線治療
研究実績の概要

本研究の目的は、高エネルギーベータ線放出核種より放出される放射線が生体内において生体構成成分の原子との相互作用により生じるチェレンコフ光の三次元分布を光イメージングの手法により検出・解析することで、ベータ線放出核種の体内分布動態を体外から非侵襲的かつ定量的に測定しうる方法を開発し、治療効果予測および評価のための方法としての原理基盤を構築することにある。今年度は、初期検討として、ファントム溶液を用いたチェレンコフ光の測定、64Cu標識プローブの合成とインビボ評価を行い、以下の結果を得た。
(1)64Cuのファントム溶液を用いたチェレンコフ光の定量性評価:ポジトロン放出核種である64Cu(64CuCl2)の段階希釈溶液を調製し、IVISを用いてチェレンコフ光を測定した結果、64Cuの放射能量と相関したチェレンコフ光シグナルを得た。
(2)64Cu標識抗体の作製とインビボ評価:チェレンコフ光を用いた分子イメージングの可能性を検証するために、Epidermal Growth Factor Receptor(EGFR)を標的とするモノクローナル抗体を64Cu標識し、担がんマウスに投与して腫瘍への集積性を光イメージング法を用いて評価した結果、高いコントラストで腫瘍をイメージングすることに成功した。その後、摘出した臓器について放射能を測定することにより体内分布動態を詳細に調べた結果、腫瘍への高い集積(7.9%dose/g)と高い周辺組織比(腫瘍筋肉比:7.1)を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、がんの内用放射線治療に用いることのできる高エネルギーベータ-線放出核種を対象として計画している。そこで、今後は現在臨床で用いられている核種(90Yなど)を対象とするが、平成26年度は、その基盤研究として、わが国では現在はまだ臨床使用されてはいないものの、海外での使用経験があって将来わが国でも利用が期待されており、かつ現段階で入手が容易な64Cuを用いて、分子標的イメージング実験を中心に進めた。その結果、ファントム実験で放射能強度とチェレンコフ光強度の間に相関性を認めた。また、64Cu標識抗体を投与した担がんマウスで、腫瘍をチェレンコフ光イメージング法により明瞭に描出することに成功した。以上より、本研究課題はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

H27年度は、90Y標識抗体を用いた腫瘍のチェレンコフ光イメージングの検討を進めるとともに、18F-FDGなどを用いた核医学イメージングとの比較により、チェレンコフ光イメージングの治療効果予測・判定における有効性を調べる予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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