研究課題/領域番号 |
26670016
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 賢二 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 教授 (00315061)
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研究分担者 |
兵藤 文紀 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (10380693)
村田 正治 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (30304744)
崔 林 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 研究員 (30717822)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 分子イメージング / レドックス / ハイパースペクトル / 微小癌浸潤診断 / 癌幹細胞 |
研究実績の概要 |
研究目的は、癌のレドックス酸化/還元異常状態をハイパースペクトル内視鏡やOverhauser MRI/DNP-MRIにより検出する基盤技術を確立し、最終的に胆管・膵管内微小播種病変や癌幹細胞を非侵襲的に検出するアッセイ法の開発に繋げることにある。 本年度の研究成果としては、以下のことを達成した。 1)ハイパースペクトル内視鏡カメラによる微小膵癌・胆道癌病変の検出 ハイパースペクトル内視鏡の腹腔内操作による実験の開始に先立って、膵癌・胆道癌からなるマウス皮下腫瘍を近接してシグナルを検出する実験を行うこととした。少数の膵癌・胆道癌細胞をヌードマウスの皮下に移植したが、腫瘍の形成度に個体差があり、皮下腫瘍モデルでは5x10e5以上の移植細胞数が必要と判明したため、まずは膵癌・胆管がん細胞で形成される皮下腫瘍のハイパースペクトル特性に関して基礎データを得る計画に変更し、実験を進めている。 2)Overhauser MRI/DNP-MRIによる微小癌幹細胞の検出 癌幹細胞を癌部のレドックス変動に基づき検出できる作業仮説の検証を行い、非侵襲的に検出するアッセイ法の確立を試みることが最終目標となる。しかし、癌幹細胞はわずかに腫瘍内に存在するため、微小な腹膜播種癌、又はその産物:癌性腹水のレドックス変動の可視化が可能か検討を行った。通常のMRIでは組織中水分と癌性腹水の鑑別は困難であるが、レドックスプローブを投与した後、Overhauser MRI/DNP-MRIにより癌性腹水のみシグナルが検出されることが明らかとなった。今後、癌性腹水の非侵襲的な検出法としての検討を進める。その後、Overhauser MRI/DNP-MRIによる微小播種癌病変、腫瘍に混在する癌幹細胞検出の可能性を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Overhauser MRI/ReMI(DNP-MRI)に関して、プローブ投与による感度調整をファントムを用いて行い、癌性腹水の高感度検出に関する基礎実験成果を得つつある。
ハイパースペクトル内視鏡のマウスモデルでの使用・最適化に課題があり、実際のハイパースペクトル特性データを取得するに至っていない。膵癌・胆道癌のヌードマウス担癌モデルに関しては、準備を終えている。
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今後の研究の推進方策 |
1)ハイパースペクトル内視鏡カメラによる微小膵癌・胆道癌病変の検出 膵癌・胆管がん細胞で形成される皮下腫瘍のハイパースペクトル特性に関して基礎データを取得する。その後、膵管・胆管内播種を模倣する腹腔内播種癌の検出が可能か、ハイパースペクトルデータを検討する。細径のハイパースペクトル内視鏡で同様なスペクトルデータが採取可能かの検討は、その後行う。
2)Overhauser MRI/DNP-MRIによる微小癌幹細胞の検出 今後、播種癌細胞数、癌性腹水量を変えてレドックスシグナルとの相関を検討し、癌性腹水の非侵襲的な検出法としての検討を進め、成果をまとめる。その後、Overhauser MRI/DNP-MRIによる腫瘍に混在する癌幹細胞検出の為に、癌幹細胞と非幹癌細胞とのレドックスシグナルが実際に異なるか否か、オンコジーン(e.g. Ras等)で株化した癌幹細胞と癌非幹細胞株のレドックスシグナルを比較し、Overhauser MRI/DNP-MRIによる癌幹細胞検出の可能性を検討する。
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