生体内でのエネルギー代謝は、酸化還元(レドックス)反応により制御されている。ここで、NAD+、NADHはこのエネルギー代謝を制御する重要なレドックス因子である。一方、Tempolは、活性酸素を消去しNADHをヒドロキシルアミン体に還元できる。さらにTempolは、アスコルビン酸-グルタチオン系によってもNAD+を生成できる。そこで我々は、このTempolの化学特性に着目し、肥満症マウスにおける代謝異常症の改善に関して検討を行った。その結果、Tempol投与によりNAD+/NADHは上昇し、代謝異常は改善された。以上の結果は、肥満症におけるレドックス制御という新しい概念を提案できると考えている。
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