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2015 年度 実績報告書

遺伝子組み換え常在細菌を利用した動物に対する成長ホルモン供給法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26670025
研究機関東京大学

研究代表者

垣内 力  東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60420238)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード常在細菌 / ロイヤルゼリー / カイコガ / フタホシコオロギ / クワガタムシ / 腸管
研究実績の概要

長期にわたる薬の注射投与は患者の負担が大きい。さらに、成長ホルモンなどのタンパク質製剤の大量調製は工業的に困難であるため、医療費の増大にもつながっている。動物の体には、様々な常在細菌が存在し、動物と様々な物質のやりとりをしている。培養と遺伝子改変に適した常在細菌を分離同定し、成長ホルモンなどの遺伝子を組み込み、動物に再定着させてタンパク質を持続的に供給させることは、動物に特定のタンパク質を供給する新しい医療法となると考えられる。本研究では、昆虫の腸管に常在する細菌種の同定と機能評価を行った。また、昆虫の体サイズを増加させる生理活性物質がロイヤルゼリー中に含まれるかについて検討を行った。
クワガタムシの菌嚢とフタホシコオロギの腸管から、細菌を分離同定した。クワガタムシ菌嚢から分離された細菌においては、抗菌物質を生産していることが判明した。また、コオロギ腸管から分離されたKlebsiella oxytocaについて、プラスミドで形質転換後、コオロギに再定着することが確認された。さらに、細菌のペプチドグリカンが昆虫の腸管から自然免疫経路を活性化し、感染防御に働いていることを見出した。
ロイヤルゼリーの投与により、カイコガとフタホシコオロギの体サイズが増加するかについて検討を行った。その結果、両種において、体サイズの増加が認められた。フタホシコオロギでは体サイズの増加が幼虫期から観察されたが、カイコガでは幼虫期では体サイズの増加がおこらず、蛹期から体サイズの増加が観察された。
本研究結果は、Klebsiella oxytocaが遺伝子組み換え後の腸管への再定着が可能な常在細菌であること、ならびに、昆虫の体サイズを増加させる物質がロイヤルゼリー中に存在していることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] No Effect of Body Size on the Frequency of Calling and Courtship Song in the Two-Spotted Cricket, Gryllus bimaculatus2016

    • 著者名/発表者名
      Miyashita A, Kizaki H, Sekimizu K, Kaito C
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11 ページ: e0146999

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0146999

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Primed Immune Responses Triggered by Ingested Bacteria Lead to Systemic Infection Tolerance in Silkworms2015

    • 著者名/発表者名
      Miyashita A, Takahashi S, Ishii K, Sekimizu K, Kaito C
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 10 ページ: e0130486

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0130486

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Microbe-host interactions revealed using the silkworm infection model2016

    • 著者名/発表者名
      垣内 力
    • 学会等名
      第89回日本細菌学会総会 シンポジウム
    • 発表場所
      大阪国際交流センター、大阪府大阪市
    • 年月日
      2016-03-24 – 2016-03-24
    • 招待講演
  • [学会発表] 昆虫モデルを利用した細菌ー宿主相互作用の解明2015

    • 著者名/発表者名
      垣内 力
    • 学会等名
      生物の共生進化を考える(昆虫共生酵母研究会主催シンポジウム)
    • 発表場所
      島根大学、島根県松江市
    • 年月日
      2015-06-02 – 2015-06-02
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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