グローバル経済を担う24時間体制の工場や物流・輸送サービスあるいは警察や消防、病院といった社会施設は、必須の生活基盤である。しかし、24時間社会を担うシフトワーカーが生活習慣病を高頻度で発症することがわかってきた。私はこれまでに、概日リズムの中枢である視交叉上核(SCN)をターゲットとした研究を行い、神経ペプチド・バソプレッシン(AVP)の受容体であるV1aとV1bを共に全身で欠損したダブルノックアウトマウスが時差を全く示さないことを見出した。本研究は、この時差消失マウスを用いて、慢性時差による病態の発症機構とその治療薬の開発を試みたものである。
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