本研究では、カイコ黄色ブドウ球菌感染モデルでの治療効果を指標に探索された3つの化合物について、その活性と、作用機序解析を実施した。化合物の抗菌スペクトラムを解析したところ、何れも黄色ブドウ球菌、及び多剤耐性黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性を示した。1つの化合物について、RNA合成を阻害し、RNAポリメラーゼのシグマ因子を標的とする新しいメカニズムで抗菌活性を示すと考えられた。また、マウス黄色ブドウ球菌感染モデルにおいても、延命効果を示した。これらの結果から、カイコ細菌感染モデルは、天然物だけでなく、有機合成化合物からの治療効果を有する新規抗菌薬の探索にも有効であると考えられる。
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