本研究では、全く新たな概念に基づく戦略により、新規抗HIV薬の創製を目指した。HIV構成タンパク質においては多量体形成等の機能維持に必須な構造があり、それらは変異しにくい(変異すると機能をもたない)と考えられ、そのような標的を探すことが、治療薬シード創出において重要である。すなわち、多量体形成に関わるカプシドタンパク質(CA)やエンベロープタンパク質gp41は立体構造的に変異に弱い領域を持つと思われ、これらの領域を探索した。このような弱点をターゲットとして、ペプチドライブラリーを用いて抗エイズ薬を探索した。最終的に、治療標的を解明し、抗HIV剤の創出のブレークスルーを達成した。
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