研究課題/領域番号 |
26670057
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
庄司 省三 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 名誉教授 (60040317)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | IL-33 |
研究実績の概要 |
ステロイド抵抗性の即時型アレルギー反応において、抗原暴露からアレルギー反応が誘導されるまでの過程を充分に説明することが出来ていなかった。近年IL-33が直接マスト細胞に結合し、即刻ヒスタミンを遊離させる経路の報告がなされ、その機構の全容が明らかにされつつ有る。そのような背景のもとIL-33阻害剤の創製に血眼がそそがれているが、現在抗IL-33薬は開発に至っていない。現状を鑑み、抗IL-33薬を創製し、それによる花粉症、喘息、アトピー、食物アレルギーの発症初期予防に役立てることを勘案し、研究を遂行することを目的としている。 平成26年度は、抗IL-33活性のin vitro評価系構築を行った。また構築した評価系を利用して新規化合物の抗IL-33活性を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗IL-33活性のin vitro評価系構築を行うために、好塩基球由来細胞株であるKU812細胞を用いた。IL-33を処理すると、IL-33依存的にIL-5が産生することをELISAにて確認した。抗ST2/IL-1R4(IL-33受容体)抗体により、このIL-33処理によるIL-5産生が阻害されることを確認した。 この評価系をもちいて、抗IL-33候補化合物によるIL-33阻害活性を評価した。その結果、検討したある化合物が、細胞毒性を示さない濃度において抗IL-33活性を示した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に構築した抗IL-33活性のin vitro評価系を利用し、見いだされてきた抗IL-33活性を示す化合物に注目しつつ、継続して抗IL-33候補化合物によるIL-33阻害活性の評価を行う。In vitro評価系で有効な抗IL-33化合物が見いだされた後、アレルギー性鼻炎・花粉症・アレルギー性喘息等のin vivoアレルギー評価系を構築し、当該化合物の抗アレルギー効果を検討することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は研究計画に従い概ね順調に進んだ。使用予定額の4%程度の額が次年度使用額となったので、ほぼ計画通りに利用したともとれるが、敢えて理由を考えれば、次年度使用額が生じたということは、研究を効率的に行ったことの反映であると考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
抗IL-33活性評価に利用するELISA kitが5万円程度であるのでその購入に充当する。
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