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2014 年度 実施状況報告書

ロテノンによる細胞外グルタミン酸濃度上昇に対する細胞応答とその破綻による細胞死

研究課題

研究課題/領域番号 26670063
研究機関広島大学

研究代表者

古武 弥一郎  広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 准教授 (20335649)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードグルタミン酸 / ロテノン / 細胞応答
研究実績の概要

グルタミン酸トランスポーターとしてEAAT3のみを発現するC6細胞を用いて、ロテノンが惹起する細胞外グルタミン酸濃度上昇に対する細胞応答の詳細を調べた。
まず、ロテノンをC6細胞に添加し、細胞外グルタミン酸濃度およびEAAT3発現の時間変化を調べたところ、両者ともに時間依存的な上昇が認められた。グルタミン酸トランスポーターは通常細胞外のグルタミン酸を細胞内に取り込むはたらきをするが、エネルギー欠乏時などには逆回転し、細胞内グルタミン酸を細胞外に放出する。そこで、ロテノンによるグルタミン酸濃度上昇に対するEAAT3の役割(向き)を明らかにするため、グルタミン酸トランスポーターの阻害剤であるTBOAを用いたところ、細胞外グルタミン酸濃度は顕著に上昇した。この結果より、EAAT3はグルタミン酸濃度上昇に応答し、グルタミン酸取り込みを行っていることが示唆された。
また、Troloxやアニオンチャネル阻害剤を用いた実験により、グルタミン酸濃度上昇に活性酸素種、およびアニオンチャネルが関与することが示唆された。グルタミン酸を直接添加した実験でもEAAT3の発現上昇が認められたことから、EAAT3発現上昇はロテノンにより直接惹起されるのではなく、ロテノン刺激で細胞外に放出されたグルタミン酸により惹起されることが示唆された。
以上の結果より、ロテノンによる細胞外グルタミン酸濃度上昇が起こり、それに応答してEAAT3が細胞内への取り込みを増加させるという一連のイベントが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

グルタミン酸濃度上昇に対する細胞応答に関して当初予定していた実験が順調に進行し、大部分のデータが得られたため。

今後の研究の推進方策

今後は細胞応答破綻の分子メカニズムと、それがどのようにグルタミン酸神経毒性に繋がるかを中心に明らかにしていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ミトコンドリア呼吸鎖阻害剤によるEAAT3発現上昇とそのメカニズム解明2014

    • 著者名/発表者名
      足立 暁、古武弥一郎、山本智美、菅田和子、太田 茂
    • 学会等名
      フォーラム2014 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-20

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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