研究課題
研究代表者はβ-ガラクトシダーゼ活性の蛍光化剤であるベンゾチアゾリルフェノール誘導体(BTP3)-ガラクトース(Bioorg. Med. Chem. Lett. 23, 2245-2249, 2013)開発者の連携研究者と共同で、BTP3にシアル酸(Neu5Ac)を付加することで、インフルエンザウイルスやパラインフルエンザウイルスのシアル酸切断酵素「シアリダーゼ」を局所的に蛍光イメージングする新規プローブ「BTP3-Neu5Ac」を開発した。BTP3-Neu5Acがインフルエンザウイルス以外のヒト病原ウイルスやその感染細胞の蛍光イメージングに応用できるか検討した。BTP3-Neu5Acは、おたふく風邪ウイルス及び小児呼吸器ウイルスのヒトパラインフルエンザウイルスやその感染細胞のシアリダーゼ活性を蛍光イメージングにすることに成功した。またこれらのウイルスの感染細胞集団を蛍光化することで、蛍光化細胞をピックアップしてウイルス株の単離を容易にすることに成功した。BTP3-Neu5Acの応用法として、抗インフルエンザ薬(シアリダーゼ阻害剤)に耐性化したインフルエンザウイルスやその感染細胞に選択的な蛍光イメージング法を確立した。この方法により、抗インフルエンザ薬のオセルタミビル耐性ウイルス及び感受性ウイルスの混合感染細胞から、オセルタミビル耐性ウイルスの感染細胞を選択的に蛍光イメージングし、薬剤耐性ウイルス株を高効率に単離することに成功した。BTP3-Neu5Acは製品化に至り、平成28年1月から販売が開始されている。今後、研究者や衛生検査従事者に広く利用され、学術研究や衛生検査の効率化に大きく貢献していくものと期待される。
[受賞]研究代表者の受賞 2件:日本ウイルス学会 平成27年度 杉浦奨励賞、静岡県立大学(第二回)学長表彰; 研究協力者の受賞 8件[新聞報道]「耐性ウイルス判別試薬販売 インフルエンザ 県立大などが研究」、朝日新聞(静岡版)、p. 20、2016年4月7日(木)朝刊
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 1件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (37件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (5件)
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